Wi-Fiパケットの送受信 実機
IEEE 802.11a/gのOFDMパケットを生成し、2台のRFSoC間で送受信して復調します。
6〜54 Mbpsの全8レート×両方向でビット誤り0。MACデータ(44バイト)とACKをFCSまで復元。EVM 1.0〜11.5%。

無線基地局・無線機の試作、カスタムのリアルタイム計測、通信・ノイズシミュレータ、無線製品の検査など、幅広い用途に対応するソフトウェア無線(SDR)です。GHz級のADC/DACを8チャネルずつ内蔵したRFSoCをベースとするハードウェアに、ご要望に応じたソフトウェア(FPGA回路・ミドルウェア・アプリケーション)を実装してご提供します。
使いたい周波数がハードウェアの範囲を超える場合は、周波数変換(アップ/ダウンコンバージョン)のアナログフロントエンド(AFE)を追加して、マイクロ波帯・ミリ波帯まで拡張できます。まず試したい段階ではADALM-Plutoなどの市販SDRを使う構成に、特定の要件に絞る場合は専用のハードウェア構成にも対応します。
同じハードウェアの上で、載せるソフトウェアを替えることで用途が変わります。近いものからご覧ください。
規格の物理層から独自方式まで、FPGAとCPUで実装
専用チップなしで無線機をつくる
UWB(IEEE 802.15.4z/4ab)の送受信・測距処理をRFSoC 1枚で実装した実績をもとに、ローカル無線の親機・基地局側の無線部、独自方式の無線機、次世代規格の先行試作に対応します。
広帯域の電波監視・プロトコル解析・多チャネル同期計測
市販の計測器にない測り方を
2.4 GHz帯の全幅をFPGAで常時FFTし、BLEパケットをFPGA内で復号・分類するリアルタイム・プロトコルアナライザを実機で実証。測りたい量と表示に合わせて、FPGA処理とGUIを作り込みます。
規格波形・妨害波・伝搬路をRF信号として再現
試験したい電波環境をつくる
任意波形・規格波形を時刻指定で送出し、雑音・遅延波・妨害波を合成。伝搬路のエコーやレーダー目標の遅延を模擬して、受信機・レーダーの評価に使えます。街の電波環境を再現するエミュレータも開発中です。
多方式の規格波形で送受信を確認、1台で切り替え
検査系を1台に集約
Wi-Fi・Bluetooth LE・IEEE 802.15.4・LoRa・UWB・5G NR同期信号などの波形を1つのFPGAイメージで切り替えて送受信し、EVM・ビット誤り・CRCを確認。検査項目・治具・自動化に合わせたソフトを実装します。
上の4つ以外にも、同じプラットフォームの上でさまざまな信号処理を試作・検証しています。項目を選ぶと、内容と結果の図が下に表示されます。
IEEE 802.11a/gのOFDMパケットを生成し、2台のRFSoC間で送受信して復調します。
6〜54 Mbpsの全8レート×両方向でビット誤り0。MACデータ(44バイト)とACKをFCSまで復元。EVM 1.0〜11.5%。

LE 1Mのアドバタイズパケットを生成・送受信し、プリアンブルからCRCまで復元します。実環境の2.4 GHz帯では、飛び交うBLEパケットをFPGA内で復号する処理も実装しています。
2台間でアドバタイズPDU(11バイト)を両方向で受信、CRC一致。

ZigBeeなどの土台になっている802.15.4のO-QPSK物理層で、フレームを生成・送受信します。
ACKフレーム(5バイト)を両方向で受信、FCS一致。

チャープ拡散方式のLoRa物理層(拡散・誤り訂正・インターリーブ)を実装し、パケットを送受信します。
SF6のパケットを両方向で受信、CRC一致。プリアンブル相関0.997以上。

5G NRの同期信号(PSS・SSS)を配置した波形を生成し、受信側で同期とセルの識別を行います。
PSS・SSSを両方向で受信し、セルID 128を検出。相関0.998以上。

QPSK・16QAM・64QAMのマッピングと復調、OFDM、PN系列、チャープなど、方式に依らない基本の変復調処理です。独自方式を組み立てるときの部品になります。
16QAM 32 Msym/s、PN系列、チャープ、OFDMを2台間で送受信。計算モデルでは16QAM 32,768ビットを誤り0で復調。

直交パイロットから未知の2×2チャネルを推定し、2ストリームを同時に復元します(ZF/MMSE)。
良条件のチャネルで16QAMを2ストリームとも誤り0で復元、EVM 3.5%/3.9%。条件の悪いチャネルではMMSEの効果が現れます。

専用チップを使わず、UWBの送信・受信・測距処理をFPGAと内蔵CPUで実装。規格どおりのフレームを送受信し、往復時間から遅延を求めます。
往復遅延の打刻再現性20 ps(同一起動内)。2台・独立クロックの両側双方向測距を20回連続で成立。

Bluetooth 6.0で加わった測距機能です。位相(PBR)と往復時間(RTT)から距離を求めます。各モードの波形の生成・取得を実機で、距離推定の処理を計算モデルで確認しています。
Mode 0〜3の波形64ケースを取得(相関0.993以上)、72チャネルのトーンを144/144取得。距離推定は計算モデルで0〜10 mを評価。

GPS L1 C/Aの拡散符号を生成してRF-DACから再生し、受信側で符号位相とドップラーを探索して捕捉します。受信機の試験信号源としても使えます。
1 ms・1023チップのC/A符号(PRN 1)を有線で再生し、捕捉。

独立したクロックで動く2台の間で時刻を交換し、ずれを追跡する処理です。64 bitの絶対時刻カウンタで送信・取込の時刻を管理する仕組みは全用途で共通に使っています。測距や分散計測の精度を上げるため、追跡精度の改善を進めています。
アンテナからの信号をRF-ADCで直接デジタル化し、広い帯域を一度に観測します。掃引しないので、短いバーストも取りこぼしません。
2.44 GHzを中心に1024 MHz幅を取得。ノイズフロア−100 dBFS/250 kHz。2.4 GHz帯の全幅(83.5 MHz)は連続で観測。

Wi-Fi・Bluetooth LE・Bluetooth Classicが入り混じる2.4 GHz帯を常時観測し、どの方式の電波がいつ・どの周波数に出たかを分類して表示します。
BLEパケットをFPGA内で復号し、匿名IDで送信元ごとに追跡。6,695パケット・7 IDを欠落0で追跡。

既知の信号を送り、受信波形から伝搬路の周波数応答やインパルス応答(遅延プロファイル)を求めます。
32トーンで400〜600 MHzの経路の相対応答(利得・位相)を実測。計算モデルでは既知の多重経路を誤差(NMSE)0.0045で推定。

受信回路のIQ不平衡やDCオフセットを学習用の区間で推定し、別の区間に適用して補正します。受信品質の指標(EVM)で効果を確認します。
補正前EVM 14.3% → 補正後2.8%。

ケーブルに信号を入れて反射を観測し、欠陥や接続不良の位置を求めます。校正用の治具で装置内の遅延と利得を先に求めてから推定します。
1.5 m/3.9 m/7.7 mの3か所の反射点を推定。帯域で決まる分解能は約0.2 m。

基準の経路との比から、フィルタや増幅器などの部品の利得・位相・群遅延を周波数ごとに求める処理です。測定器を持ち込みにくい装置の中に組み込む用途を想定しています。
送信する波形に遅延波(エコー)・雑音・周波数ずれを合成し、狙った伝搬環境を再現します。受信機の耐性評価に使えます。
250 ns・1000 nsのエコーを合成したWi-Fi信号を同軸で送り、受信側でそのエコーを遅延プロファイル上に確認。

仮想の街を移動する端末の位置に届く2.4 GHz帯の電波を、レイトレーシングによる伝搬計算で求め、RF-DACから実際のRF信号として出力する構成です。3D表示・伝搬計算・送信制御とRFSoC側の波形生成回路を実装し、伝搬計算に追従する利得制御まで実機で確認しています。
帯域500 MHzのチャープを生成・取得し、遅延によるビート周波数から距離を求めます。ミリ波レーダーの中間周波数段の処理や、レーダー目標を模擬する信号源の土台になります。
信号上で与えた5 m・10 m相当の遅延を、5.003 m・9.999 mと推定(距離分解能0.3 m)。

通信用のOFDM信号をそのまま環境の観測にも使う考え方(ISAC)です。同じ受信信号から、データの復元と伝搬路の推定を同時に行います。
OFDMの復元で誤り0、等化後EVM 4.7%。同じ信号から遅延プロファイルを推定。

8チャネルの振幅・位相のばらつきを既知方向の信号で校正し、到来方向の推定と、妨害方向へのヌル形成を行います。
8素子アレーで、校正により信号対干渉雑音比を18.8 dB → 37.5 dBに改善。

立方体に配置した8素子のアンテナを8つのRF-ADCに接続し、パケットごとに電波の到来方向を求める装置の構想です。アレーの計算と概念設計まで進めています。

受電側の直流出力だけを手がかりに、複数チャネルの送信位相を調整して受電電力を最大化します。伝搬路の情報を使わない制御です。
総送信電力を固定したまま、受電側の出力を大きく改善(正規化値 0.00004 → 0.50)。

パワーアンプの非線形な歪みを学習し、逆の特性をあらかじめ送信信号に加えて打ち消します。
EVM 4.4% → 2.4%、隣接チャネル漏洩電力比を約3 dB改善。

「実機」は、RFSoC 2台を同軸ケーブルで接続して測定した結果です(無線放射は行っていません)。各例の試験条件や、お客様の用途への適用についてはお問い合わせください。
ハードウェアは共通、用途はソフトウェアで決まります。お客様の開発体制に合わせて、評価だけ・一部の実装だけ・装置一式まで対応します。
標準の構成はRFSoCですが、RFSoCに限りません。まず試す段階では市販のSDRを、特定の要件に絞る場合は専用の構成を使います。信号処理のソフトウェアは、構成をまたいで引き継げます。
ADALM-Plutoなどの市販SDRに自社の信号処理を組み合わせ、PoCや通信品質の評価を短期間・低コストで行います。
→ 無線通信評価・開発支援1 GHz級の帯域、8送信・8受信、ps級の時刻管理が要る用途や、複数の方式を1台で切り替えたい用途の標準構成です。
→ ハードウェア仕様とご提供の形態FPGAと高速ADC/DAC、周波数拡張のフロントエンド、クロック・電源までを要件に合わせて設計します。装置への組込みにも対応します。
→ 開発の流れと事例RFSoCや市販SDRが直接扱える周波数は数GHzまでです。それより高い帯域は、周波数変換(アップ/ダウンコンバージョン)を行うアナログフロントエンド(AFE)を追加して対応します。ベースバンドの処理はそのままに、マイクロ波帯からミリ波帯まで持ち上げられます。
開発中のカスタム無線システムでは、FPGA+高速DACが生成するベースバンド信号を、PLL(局部発振)・アップコンバータ・フィルタ・増幅段からなる自社設計AFEでマイクロ波帯へ変換しています。市販の高性能RFIC(アナログ・デバイセズ社製PLL・ミキサ等)を使いこなし、周辺回路と基板設計で性能を引き出すのが当社の設計スタイルです。AFEは高周波基板(Rogers/FR-4ハイブリッド構成)で実装し、クロック系・電源系と合わせてシステムとして設計しています。
ミリ波帯への拡張も可能です。ミリ波モジュールの開発・製造、V帯・W帯の計測システムの納品実績があり、対応周波数は330 GHzまでです。RFSoC向けには、直接入出力を12 GHzまで広げる同期アップ/ダウンコンバータも設計を進めています。
| 構成 | PLL(局部発振)+アップコンバータ+帯域フィルタ+可変減衰・増幅段 |
|---|---|
| 実装 | 高周波ハイブリッド基板(Rogers系+FR-4)で自社設計 |
| 接続元 | FPGA+高速DAC(JESD204)によるベースバンド生成部 |
| 帯域 | マイクロ波帯(守秘のため詳細は非公開) |
※ 現在開発中のシステムでの実績を、守秘義務のため用途・周波数などを伏せて一般化した構成例です。ご相談時には、秘密保持契約のもとで具体的な事例をご説明できます。
RFSoCを使った事例に加えて、専用のハードウェアを組んだ事例、市販SDRを使った事例があります。
専用チップを使わず、IEEE 802.15.4z/4abの送信・受信・測距処理をFPGAと内蔵CPUで実装。往復遅延を20 psの再現性で計測しました。
CASE 02RFSoC2.4 GHz帯の全幅をFPGAで常時FFT・活動検出し、Wi-Fi・Bluetoothを分類。BLEパケットはFPGA内で復号し、匿名IDで追跡します。
CASE 03専用構成(FPGA+高速DAC)ハイエンドFPGAと高速DACで波形を生成し、自社設計の周波数拡張フロントエンドでマイクロ波帯へ変換。基準クロックと電源まで含めて1つのシステムとして設計しています。
CASE 04市販SDR(ADALM-Pluto)IEEE 802.11p相当の物理層を自社で実装し、シミュレーションと実機を同じ入力で突き合わせ。独立した2台の間で200/200パケットを受信、EVM 5.1%。
入手しにくい・使いにくい専用チップの代わりに、あるいは規格策定中の方式を先行して試すために、物理層をSDRで実装します。
→ 無線基地局・無線機の試作広い帯域を取りこぼしなく見たい、複数チャネルを同期して測りたい、必要な量だけを取り出したい。測り方から作ります。
→ カスタムリアルタイム計測妨害波や遅延波がある条件を、毎回同じように与えたい。信号と環境をRFとして作り出します。
→ 通信・ノイズシミュレータ扱う無線方式が増えるたびに装置が増える。1台で切り替えられる検査系にまとめます。
→ 無線製品検査ご提供の形: 方式検討・実現性の評価、FPGA・組込み・PCソフトの実装、評価系や装置一式の納品、受託研究・共同研究まで、形態を問わず対応します。基板のRF部が直接扱えるのは約3 GHzまでで、それ以上の周波数は周波数変換のフロントエンドを組み合わせます。