広い帯域を取りこぼしなく見続けたい。飛び交う電波がどの方式なのかをその場で知りたい。複数チャネルを同期して測りたい。市販の計測器の機能に測り方を合わせるのではなく、測りたい量に合わせて計測系を作るのがカスタムリアルタイム計測です。RFSoCのRF-ADCでアンテナ直後の信号をそのままデジタル化し、FPGAでリアルタイムに処理して、必要な情報だけを画面に出します。
RF-ADC 4.096 GSPSで、ミキサや中間周波数段を介さずに信号を取り込みます。観測する周波数や帯域幅の切り替えは、チップ内のデジタル処理の設定を変えるだけです。
帯域の全体を同時に取り込み、1024点のFFTを8 µsごとに隙間なく実行します。周波数を掃引する方式では見逃す短いバーストも捉えられます。
検出・復調までをFPGA内で行うので、PCに生の波形を送り続ける必要がありません。Gigabit Ethernet 1本で連続観測ができ、波形そのものを外に出さない設計にもできます。
処理の流れ。時間に厳しい処理をFPGAが受け持ち、PCは表示と記録に専念します。どこまでをFPGAで行うかは、測りたい量に合わせて決めます。
アンテナと低雑音増幅器(LNA)をRFSoCに接続し、実際の電波環境を受信して確認した結果です(2026年10月。受信のみで、電波は出していません)。
2.4 GHz帯の全幅(83.5 MHz)をFPGAで常時FFT・活動検出し、Wi-Fi、Bluetooth LE、Bluetooth Classicが入り混じる実環境を、PC上の画面にリアルタイムで表示します。
復調までをFPGAの中で行う構成です。128チャネルに分割する処理とBLE復調器をFPGAに実装し、誤り検査を通ったパケットだけを匿名のIDに紐付けてPCへ送ります。元のアドレスや波形はPCへ出しません。
Wi-FiなどBLE以外の方式のFPGA内復号、BLEの接続後の通信の追跡、5 GHz帯への対応は今後の拡張項目です。
※ 数値は当社の実機検証記録で確認できる値のみを掲載しています。詳細な試験条件はお問い合わせください。
同じハードウェアの上に積み上げる形で、計測できる対象を広げています。
立方体に配置した8素子のアンテナを8つのRF-ADCに接続し、パケットごとに到来方向を推定する装置の構想です。「どの方式の電波が、いつ、どこから来たか」を1台で捉えることを狙っています。アレーの計算と概念設計まで進めており、8チャネルの位相の再現性の実測とアンテナの試作はこれからです。

フィルタ2段・LNA 2段・可変減衰器を載せた小型(60×40 mm)の受信フロントエンドです。利得約+29 dB、雑音指数3.6 dB(いずれも計算値)。回路図・部品表・RF配線まで完了しています。より弱い電波まで安定して観測できるようにします。
