ローカル無線の親機や基地局側の無線部、独自方式の無線機、規格策定中の方式の先行試作。こうした「市販の無線チップでは作れない・まだ無い」無線機を、RFSoCの高速ADC/DACとFPGA、内蔵CPUで実装します。当社は専用チップを使わずに、UWB(IEEE 802.15.4z/4ab)の送信・受信・測距処理をRFSoC 1枚で動かし、実機で数値を確認してきました。
規格書の符号・系列・誤り訂正どおりにフレームを生成・復調します。波形生成から到着時刻の推定、復調までをチップ内で完結でき、中身をすべて確認・変更できます。
対応チップがまだ無い規格策定中の方式や、規格に縛られない独自方式も、FPGAとソフトウェアの書き換えで試せます。方式の変更に基板の作り直しは要りません。
RF-ADC・RF-DACを8チャネルずつ搭載。複数アンテナを使うMIMOやビームフォーミングの構成に展開できます。ビーム形成と2×2 MIMOの処理は計算モデルで評価済みで、8チャネル同時動作の実機検証を進めています。
64 bitの絶対時刻カウンタで送信・取込のタイミングを指定。変換器の遅延を電源投入をまたいで再現させる同期機能(MTS)を使い、2台・独立クロックでの双方向測距まで確認しています。
内蔵CPUからGigabit EthernetでPCや上位装置へデータを転送(UDPで95〜117 MB/sを実測)。制御用のAPIや表示ソフトも合わせて実装します。
当社のRFSoC 2台で、2026年9〜10月に実測した結果です。試験は同軸ケーブル接続(有線)で行い、無線放射はしていません。
専用チップを使わず、UWBの物理層(送信・受信・測距処理)をFPGAと内蔵CPUで実装しました。規格どおりのフレームをRF経路(RF-DAC→同軸→RF-ADC)越しに送受信し、往復遅延を20 psの再現性で計測できることを確認しています。
搬送波は基板のRF部の帯域に合わせ、中間周波数1 GHzで動作させています。実チャネル(6.5 GHz帯など)は外付けの周波数変換で対応する前提です。暗号化測距(STS)の乱数生成は代用アルゴリズムを使用しています。
UWBで作った「決めた時刻に送信・取込を行う仕組み」を共通のFPGAイメージにまとめ、波形を差し替えるだけで複数の方式を扱えるようにしました。基地局が送る同期信号や、各方式のパケットを2台間で送受信しています。
いずれも中間周波数500 MHzの有線接続での確認です。方式ごとの結果は無線製品検査のページにまとめています。
※ 数値は当社の実機検証記録で確認できる値のみを掲載しています。詳細な試験条件はお問い合わせください。
RFSoCの直接入出力(約3 GHzまで)を12 GHzまで広げる周波数変換基板です。回路設計まで完了し、基板レイアウトはこれからです。UWBの実チャネルや5 GHz・6 GHz帯の無線に対応させます。
8送信・8受信のRFSoCボードの回路図を自社で設計済みです。コネクタの種類、外部基準クロックの入力、高速光インタフェースなど、市販の評価基板で足りない要件が出たときに製作へ進めます。
対応範囲について: 実績の中心は物理層(変復調・同期・測距)と、それを動かすFPGA・組込みソフトです。上位レイヤ(接続制御やネットワーク側の処理)や、製品化に向けた認証対応は、ご要件に応じて範囲をご相談しながら進めます。
IEEE 802.15.4abはドラフトに基づく実装であり、最終版で細部が変わる可能性があります。記載の製品名・規格名は各社・各団体の商標または登録商標です。