実測による電磁波(1GHz-600 GHz)の可視化で

次世代高周波産業の開拓に貢献

専門知識がなくても、誰でも高周波産業へ参画できる未来へ


実測による可視化で、複雑な電場の状況を暴く

ミリ波の振幅分布の実測値

平らなアルミニウム板によるミリ波の反射

しわくちゃなアルミホイルによるミリ波の反射・散乱


左図は、平らなアルミ板に平面波状のミリ波が照射され反射されている様子の実測結果です。入射波と反射は干渉して振幅分布にムラが生じています。

この状況は容易に想像できますし、ノートPCでシミュレーションすることも可能です。

ところが、しわくちゃなアルミホイル表面で反射・散乱された電磁波の空間分布がどうなるか、想像できる人はいません。シミュレーションで正確に求めることもできないでしょう。電磁波はMaxwell方程式に従うので計算はできますが、アルミホイル表面の凹凸状態を正確・精密に計算機に入力することが困難なためです。

シンプルな状況(左図上)もどんなに複雑な状況(左図下)も、実測にとっては同じです。ただ、その場の電場分布を計測すれば、リアルな環境で電磁波がどのように振る舞うのか一目瞭然です。

我々は、電場の可視化技術の社会実装を通して次世代高周波産業の開拓に貢献します。

本技術の一部はJST先端計測分析技術・機器開発プログラム」S評価のサポートの元開発されました。

高価な計測器・専門知識がなくても、誰でも高周波産業へ参画できる未来へ

見えないものをコントロールするのは難しく感じます。電磁波は見えないものの代表で、高周波数帯での電磁波を使いこなすには、高価な測定装置と高価なシミュレータ、それらを使いこなす技術者、得られた結果を総合的に判断する専門家が必要と考えられていました。

この材料でこの形、表面はそこそこざらざらしている。斜め32.3°から76.5GHzの電磁波が緩やかに絞られながら照射されたらどうなる?

実測して確かめればいいんです。

高周波産業は、材料、部品、モジュール、システム、諸々、とにかく総力戦です。Photonic Edge Inc.が高周波電磁波の可視化を担当します。誰もがそれぞれの強みを生かして高周波産業へ参画する未来へ。我々がお手伝いします。

電波は資源、低周波領域は逼迫、高周波領域はフロンティア

人類はこれまでに低い周波数から着実に電波資源を開拓してきました。4G LTEでは1GHz〜3GHz程度の周波数の電波が利用されてきましたが、5Gでは4.5GHz程度、いわゆるサブ6GHz帯や28GHz帯が利用されようとしています。5Gの次の世代、Beyond5G/6Gではさらに一桁高い周波数、300GHz帯の電波の利用が世界的に検討されています。

通信の分野で高い周波数の電波が「開拓」されるのは、電波が有限な資源だからです。高速無線通信のニーズはとどまることを知りません。大容量無線通信のためには、広い周波数帯域が必要です。ところが低い周波数帯の電波は、利用用途に応じて周波数が割り当てられているため、新しいサービスのために広い周波数帯域を占有することが難しい状態です。低い周波数領域は枯渇しかけていて電波資源は逼迫しています。

より広い周波数帯域を利用するため、必然的に人類は高い周波数の電波資源の開拓に向かっています。100GHzを超える周波数帯、いわゆるサブミリ波帯/テラヘルツ波帯は、最近まで発生・検出が技術的に困難な暗黒領域と呼ばれていました。まさしくこの周波数領域は、電波資源のフロンティアで、今まさにここが開拓されようとしています。

フロンティアの開拓には探査技術が鍵

火星を開拓するために人類は探査機を送ります。深海を開拓するためには深く潜れる潜水艇が必要です。

フロンティアの開拓には探査技術が鍵となります。これまで主に実験室で活用されてきたサブミリ波帯/テラヘルツ波帯の高周波電磁波を、我々の生活空間である「実験室の外」で活用するには、実環境での電磁波の振る舞いを実測により把握することが重要となります。

これまで活用されてきたマイクロ波帯と比べ、サブミリ波帯/テラヘルツ波周波数が一桁から二桁程度高く、必然的に電磁波はビームとして活用されるようになります。高周波になればなるほど、電磁波のビーム形状(電界の空間分布形状)がアプリケーションのパフォーマンスに大きな影響を与えます。ビーム形状が乱れると、通信応用なら通信速度の低下、最悪の場合は通信が切断されます。レーダ応用なら、誤検知の原因、最悪の場合は大事故を引き起こします。

電磁界シミュレータは、電磁波を可視化し、その挙動を推定する極めて有用なツールですが、高周波数になるとシミュレーション結果と実際の振る舞いとの乖離が大きくなります。これは、周波数が高くなればなるほど(波長が短くなればなるほど)、表面状態(凹凸や歪みなど)を含む物体形状をより精密にシミュレーションモデルに反映させる必要があり、この精密・正確なモデル化が困難になるためです。

そのため、電界の空間分布形状を制御する技術とともに、実際の電波のビーム形状(振幅と位相の空間分布形状)を可視化する技術がアンテナモジュールやシステムの設計・最適化に重要となります。

火星や深海同様、電波資源のフロンティア開拓にも探査技術、つまり可視化技術が鍵となります。

可視化技術は探査技術

Photonic Edge Inc.は皆さんのフロンティア開拓をお手伝いします

我々は1 GHz程度から600 GHz程度までの電磁波の空間分布を実験的に可視化する技術を開発しました。この技術を用いて実際に電磁波を可視化すると、特に高い周波数においてシミュレーション結果とは異なる振る舞いをしていることが手に取るようにわかります。


  • 自動運転で活用されるミリ波レーダ。バンパーなどがちょっと凹むだけでどれくらいビームは乱れる?

    • システムが稼働している実環境で電波を可視化すれば、どうして所望の性能が出ていないのか原因追及に大いに役立ちます。

  • 開発した電磁シールドの効果はどのくらい?

    • 物性値を精密に測って大規模シミュレーションをするより、可視化で確認すれば一発で効果がわかります。

  • 開発したデバイスがどうも誤動作する?

    • 可視化によりどこにホットスポットがあるかが一目瞭然です。最小限の努力で確実な対策が可能となります。

まずはお気軽にご相談ください。

技術の概要

マイクロ波・ミリ波・テラヘルツ波の電界分布を可視化する技術は、JST先端計測分析技術・機器開発プログラム」(S評価)のサポートのもと大阪大学・岐阜大学で開発されました。

技術の概要はyoutubeで!