高周波部品の検査、校正、管理

誘電体レンズの検査

レーダーセンサや自由空間法の計測において誘電体レンズは多く用いられます。

高周波になるほど誘電体レンズ自身の設計精密性も高く要求されますし、アンテナとの物理的な適合具合も適切に管理される必要があります。

しかしながら、誘電体レンズ自身の電波伝搬特性を精密に調べることは困難であり、システムの系に明らかな異常がない限りは良品と判断され、正確な電波状態を調べることなく使用されていることが多々あります。

こちらの事例では誘電体レンズを評価した事例を紹介します。

左図のように、自由空間法の計測に用いるアンテナ&レンズを用いました。

誘電体レンズの規格がWR12導波管、周波数60~90GHzにて設計されたものです(社外からの購入品となります)。

こちらにて76GHzの電波を計測しました。

左は誘電体レンズを透過する電波の振幅分布になります。

図から明らかなように、上図で示すような集光電波とはなっていません。

仮に、このまま自由空間法にて計測に用いてしまった場合、透過量、反射量は全く真実とは異なる値を得ることは明らかです。

誘電体レンズは設計要求確認の段階や検査の段階で適切に評価する必要性があり、ユーザーサイドにおいても、校正や日常的な点検において電波状態を確認しなければ、間違った計測を行ってしまう危険があることを示唆しています。

ホーンアンテナの検査

誘電体レンズ同様に、ホーンアンテナも各シーンで盛んに使用されます。

ホーンアンテナに異常がある場合も、やはり電波の伝搬特性に影響を及ぼします。

左図はWR12導波管長方形ホーンアンテナ(60~90GHz)のホーン内を撮影した画像です。

導波管口にわずかな形状不良があるのが確認できます。

このような僅かな形状不良においても電波に影響を及ぼします。

左図は、上で示したホーンアンテナ開口の近傍界を測定した結果です。

図から明らかなように、振幅、位相とも左右非対称であり、形状不良が電波に影響を及ぼしていることがわかります。

参考として、左図に正常なホーンアンテナ開口の近傍界を測定した結果を示します。

こちらでは、振幅、位相ともに分布が左右対称であることがわかります。


以上のように、高周波部品はその寸法精度や表面形状、また導波管などの適合条件が電波に影響を及ぼすことがわかり、検査や校正、日常管理が重要であるものといえます。